日本画家 澁澤卿

2010年08月11日

暑い日が続いています。お元気でお過ごしですか。残暑お見舞い申し上げます。木々に囲まれた我が家は蝉の鳴き声が耳鳴りのように頭に響いています。豊洲の高層マンションに住んでいる娘の家族はほとんど蝉の声を聞かないそうです。子供の時から虫が好きで蜘蛛でも手掴かみするので毒がない虫かどうかいつも気を使う娘でした。自分の娘たちにも虫たちと遊ばせたいと思っているのでしょうけど都会住まいでは虫との出会いが少なく自然と虫を怖がるようで寂しい思いをしているようです。

鎌倉も蝶やトンボは少なくなってきました。子供の小さい頃には春から秋までの犬の散歩には子供たちはいつも虫網をもって付いてきて目の前を横切る蝶やトンボを採っては頭や胸に停まらせて遊んでいました。今では網をもっている子供を見ることはほとんどありません。今の子供は虫取りには興味を示さないのでしょうか。エアコンの効いた部屋でゲームに夢中になっているのでしょうか。心の成長には自然との触れ合いが必要だと思うのですが未来の大人たちが少し心配になります。

今年も鎌倉八幡宮で8月6日から9日までぼんぼり祭りが開催され私も毎年参加させてもらっております。指定の和紙に描かねばならないことや夜になると中から明かりを灯すので絵の具を重ねて塗ると汚く見えてしまうなど、描くのに難しさがあります。タブローの精密さを感じてもらおうと細かく表現してはいるのですがなかなかうまくいきません。今年は京都の光明寺の真っ赤に染まった木々に囲まれた山門を描いてみました。今年は、中の光が空けるように顔料にカラーインクを混ぜて使用してみました。最終日に見に行こうと思っていたのですが昼過ぎまで雨が降っていたのできっとぼんぼりは片付けてしまっていると思い込んで行きませんでした。ところが次女が会社の帰りに寄ってきたら飾ってあって、たくさんの人で賑わっていたそうです。写真は見せてもらいましたが、残念でした。今年は倒れてしまった大銀杏の前の大石段の一番下の段に飾ってあったそうです。この本宮前の大石段をぼんぼりが上がっていくとそろそろ人生の階段も終わりに近づいているということです。石段の上までには、ぼんぼりが左右に8基ずつ飾ってあります。頑張って長生きしてぼんぼりが、本宮までたどり着けるように今朝も仏壇の中の八幡宮のお札に祈念いたしました。