日本画家 澁澤卿

2003年06月

またカレンダーを捲る月になりました。毎月の連載や雑誌・新聞の締め切りに追われているせいでしょうか、今年は月日がたつのが、すごく早く感じます。台風が早くも上陸したり、紫外線が強くなったのか、私の顔は週一のテニスで真っ黒に日焼けして梅雨入りの前にもう夏がきたような状態です。天候の異変やサーズや戦争に経済崩壊、これ以上何も起こらないことを祈るのみです。先日6年ぶりに絵の師匠であり仲人でもある大薮雅孝先生御夫妻とゴルフに行ってきました。芸大の講師をやめて以来、先生と私は洋画家と日本画家と肩書きが別れているせいで共通の画商さんの付き合いが少なくお会いする機会が少なかったのですが、私が、先生の作品を主に扱っているギャラリー白石とのお付き合いが始まりまして、ここのところお会いする機会は増えましたが、ゆっくりお話するまでの時間は取れずに居りました。3日間ご一緒して近況や昔話など、ゆっくりとお話ができました。先生とのお付き合いは、私が芸大受験のための浪人中でしたからもう35年間になります。早逝の天才画家といわれる有元利夫や今芸大で助教授をしている箕浦昇一・武蔵野美大の教授で光の芸術で著名な逢坂卓郎といったメンバーと大薮先生のアトリエで朝から夜中まで絵の基礎を叩き込まれました。この時の良い仲間と怖いけどすばらしい師匠との充実した2年間があったからこそ今絵を描いて暮らしていられると思っています。ゴルフのお迎えに行きましたら青梅にある新築のアトリエで、先生は、べたっと座り込む昔と変わらない姿勢で制作をされておりました。今年で芸大を定年退官されて思う存分制作に専念する為にと建てられたアトリエは、収集されていた骨董を各部屋に配置し、大好きな石を並べてご自分で作り上げた枯れ山水の石庭と窓から手の届きそうな所を流れる多摩川の渓流とが全ての部屋から眺められるすばらしいものでした。いつまでも元気に私たちの前を歩んでいてもらいたいものです。先生のアトリエを見て、改築時期を過ぎている僕のアトリエも早く直せるようにがんばらなくちゃいけないなと刺激されてしまいました。

今月は大薮先生とご一緒に出品する博多大丸でー今、美術界注目のー21世紀の巨匠画家10人展が6月19日〜24日まで開催されます。20日・21日と絹谷幸二先生と森田りえ子先生とのギャラリートークが会場で開かれる予定で当日は博多に出向きます。博多の皆様とお会いできますことを楽しみにいたしております。どうぞお出かけください。