日本画家 澁澤卿

2003年05月

4月7日静岡県の伊良湖港からフェリーに乗って鳥羽に入り奈良・京都と桜の取材に行ってきました。いつもはニシムラ美術の西村氏に関西の取材は付き合っていただくのですが今回は伊勢志摩から入るため自分の車で行ってまいりました。関西は東京より一週間ほど開花が遅れたため訪れた時が満開でした。今年は以前よく通った取材場所を回ってみました。桜は成長が早く風景が一変していることがあります。長谷寺が特に変わっていました。10年程前まで長谷寺といえば牡丹、奈良のひとさえ桜の長谷寺は知られていませんでした。初めてだめもとで訪れた時全山桜色に染まる長谷寺に出会い感動したものでした。今回も多くの観光客が期待していなかったのか始めてみる長谷寺の桜に驚きを隠し切れないように歓喜の声を上げていました。春爛漫というのはまさにこの光景を言うのでしょう。室生寺も以前より桜が多く感じられ石楠花の時だけでなく桜も秋の紅葉も美しさを増してきたようです。感動した風景をそのまま写しているつもりの私の絵ですが、自分の心を通過して表現される風景は現実のものとだいぶ変わっていることに描いた場所と同じ所に立ってみると分かります。自分が画面に作り上げている風景と現実の風景とを比べてみると、自分の描いた絵の世界のほうが美しく思えるのです。まさに自画自賛というものですね。「絵にも描けない美しさ」ということばが有りますが、私はこの風景は自分の心を通して表すと現実の風景より美しくなると思うから描くのです。私にもまだまだ絵に描けないうつくしい景色と出会うことがたくさんあります。これからも精進を重ねこれら描けない風景を少しでも減らしていきたいと思っています。

先日初めて人間ドックに入ってきました。大腸検査の為の下剤攻めにはもう降参です。どうにか重大な異常はなかったようですが、少し痩せるようにと注意をされました。ここのところ忙しくアトリエから出る時間がまったくないためエネルギーを消耗する手段がありません。週一回3時間のテニスもここのところ雨で流れてしまっています。かといって食べないとスタミナが切れて絵を描く元気がなくなってしまいます。なんて理由をつけていますが、ほんとうは美味しい物を食べることが大好きで、不精なだけなんです。分かってはいるのですけど……。